東電、大寒波で電力需給逼迫の“異常事態” 大震災後の計画停電「悪夢」懸念

首都圏の電力需給が逼迫(ひっぱく)している。1月下旬の大寒波で暖房需要が膨らみ、東京電力管内の需要は供給の95%を上回る「厳しい」水準で推移。東電は他電力からの応援融通など対策を総動員してわずかに余力を確保したが、需給は綱渡りの状態が続いた。東日本大震災後の計画停電による混乱という「悪夢」の記憶が薄れつつある中、安定供給の確保が改めて問われている。

東京で大雪が降った翌日の1月23日午後9時半、需給バランスを調整する公的組織、電力広域的運営推進機関(東京)が約2年9カ月ぶりの「指示」を出した。東北電力と中部電力に対し、東電への最大計150万キロワットの融通を命じ、「行わなければ、電気の需給の状況が悪化する恐れがあった」と説明した。

寒は23日以降も続き、東電は26日まで4日連続で融通を受け、2月も1、2日と融通が続いた。2日以上の融通は、震災のあった平成23年以来の異常事態だ。

中でも2月1日ピークの午後5時台は需要が4978万キロワットに対し、供給能力は融通の最大250万キロワットを含めても5207万キロワット。融通がなければ、需要に供給が追い付かず「大規模停電の恐れもあった」(関係者)。

需給逼迫には低気温に加え、火力発電所のトラブルという内部要因もある。電力会社は需要急増に備え、予備の発電所を確保している。東電も鹿島火力発電所6号機(茨城県)、広野火力発電所4号機(福島県)の計200万キロワットを予備として想定。通常はコストの高い石油を燃料とするため稼働していないが、寒波に備えて1月中旬に稼働準備に入った。

だが、不具合で1月中は稼働せず、融通に依存する事態に陥った。東電ホールディングスの森下義人常務執行役は、「まれにみる厳冬に加え、停止中の火力発電所のトラブルが重なったこともあり、需給が厳しい状態になった。設備点検などにしっかり取り組みたい」と自省する。

一方で、震災後の計画停電時のような緊張感の高まりは、政府や電力業界からほぼ感じられない。震災直後と異なり他電力に供給余力があるうえ、融通など応援態勢が整っているためだ。

震災直後の融通は、各電力会社が他電力に個別に要請する仕組みだった。だが、27年4月に電力広域的運営推進機関が発足した結果、電気事業法に基づく融通指示が可能になった。従来は他電力が「義勇軍」的に要請を受けたが、同機関の指示が出ることで速やかに融通を実施できる。

さらに、政府は29年4月に、企業などの節電に対して報酬が支払われる「ネガワット取引」制度を導入。東電は必要と判断した時間帯に、電力使用量を減らしてもらう契約を工場などと結び、最大59万キロワットを確保できるようにした。今回の需給逼迫で制度開始以来、1月22日に初めて取引を実施し、融通とともに停電を回避する一助になった。

東電は需給逼迫時、社内で節電を呼びかけるアナウンスを流し、安定供給への努力を促している。今回の融通時もアナウンスがあった。

ただ、ある幹部は「震災直後に比べて社員の反応が鈍く、危機感が薄まっている」と懸念する。電力需要は夏季が最も大きくなる傾向がある。昨夏も5383万キロワット(8月9日午後1時台)まで膨らんだ。東電は最需要期に向け、今冬の教訓を生かせるかが問われている。

経済本部 会田聡)

計画停電 電力需要が供給を上回り大規模停電が起きる恐れがある場合に、電力会社が事前に日時や地域を区切って供給をとめる措置。電力会社が予備の発電所を稼働し、他電力からの応援融通を受け、工場など大口契約者に節電を要請するなど供給対策を総動員しても、十分な需要がまかなえない場合に発動する。

東日本大震災直後の平成23年3月14日は、東京電力管内の想定需要が最大4100万キロワットに対し、供給力は3100万キロワットにとどまった。このため管内を5グループに分け、時間帯別に順番に実施し、3月28日まで土日祝日を除いて断続的に。輪番停電ともいわれる。

 

2018年2月20日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

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