東京電力がスマホの充電サービスを拡大する理由

電力・ガス大手がエネルギー関連の新規事業の立ち上げ、拡大に取り組む。東京電力ホールディングス(HD)はスマートフォンの充電サービスで、貸し出し端末を2020年度末までに1万台設置する目標達成に向け、チェーン展開する大手企業に提携を呼びかける。東京ガスは19年度中に新会社を設立し、蓄電池を活用した新事業を始める。人口減少や省エネルギーの進展で中長期的には国内のエネルギー需要の低下が見込まれる中、新たな収益源を育てる。(文=戸村智幸)

 東電HDの小売り事業会社・東京電力エナジーパートナー(EP)は“外出先”という新たな電力需要取り込みのため、充電サービス「充レン」を考案。18年7月開始の実証実験を経て、4月に正式に事業化した。利用者は駅や商業施設に置かれた端末でバッテリーを借り、移動中に充電して別の場所の端末に返却できる。

 スマホの普及で外出先での充電需要は高まっている。20年度末に1万台という設置目標について、同社は「最低限の目標」と意気込む。

 現在の設置場所は新交通「ゆりかもめ」の駅やお台場地区の商業施設など一部だが、コンビニエンスストア、カラオケなどの大手チェーンと提携して店舗に置いてもらい、提供範囲を一気に広げる狙いだ。首都圏を皮切りに、全国展開を計画する。

 東ガスは4月に新事業創造プロジェクト部を設置した。19年度中に別会社化し、早期の事業化を図る。内田高史社長は「本体ではなく、別会社がやることでスピードを上げる」と意図を説く。

 蓄電池やコージェネレーション(熱電併給)の活用を想定する。東ガスは2月、東京大学発ベンチャーのエクセルギー・パワー・システムズ(東京都文京区)に出資した。エクセルギーは蓄電池を用いた電力需給調整の実証実験を英国で実施予定。東ガスも参画して知見を蓄え、新事業創出につなげる。

 このほか、ガスや電力小売りでの新サービス立ち上げを目指す。エネルギー回りのサービスを加えることで、契約拡大につなげる。東ガスの名前を出さないサブブランドでの展開も視野に入れており、従来と異なる顧客開拓を目指す。

 

2019年6月9日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

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