太陽光発電 普及妨げず負担抑えよ

事業者の競争と効率化を促し、国民の経済的負担を抑えたい。

 政府は太陽光発電の固定価格買い取り制度(FIT)を見直す。

 導入当初の2012~14年度に高い価格で買い取りを認定された施設が、来春までに稼働しなければ大幅に減額する。

 安価な電力を調達する入札制の対象拡大と合わせ、買い取り価格を現行の約半分に下げる方針だ。

 太陽光パネルの価格が下がるまで建設を延ばしたり、高い価格で売電する権利を転売する悪質な業者を選別するのはうなずける。

 未稼働施設は対象期間の認定分の4割を超える。発電の見込みがない業者が撤退し、送電枠が空けば新規参入を促すことにもなる。

 現在の制度では買い取り費用は電気料金に上乗せされる。割高な未稼働施設が大量に発電を始めると国民にしわ寄せが及ぶ。だが買い取り価格を下げれば事業者のやる気や成長の芽を摘みかねない。

 政府は再生可能エネルギーの主力電源化を掲げる。国民の負担増を抑えつつ、普及を促す制度づくりが求められる。

 東日本大震災後に導入されたFITは当初、再生エネ普及を優先して買い取り価格を高めにした。

 価格設定に加えて問題なのは、計画が認定された時点の価格で買い取る仕組みだ。パネルの値下がりで発電コストが下がる中、高い価格で認定された業者は稼働が遅くなればそれだけ利益が膨らむ。

 海外では発電開始時の価格が適用されるのが一般的だ。制度の欠陥と言われても仕方ない。

 発電コストは下がっているのに国民負担が膨らむのも、消費者は釈然としまい。コスト減の恩恵が国民にも届く仕組みが必要だ。

 太陽光を買い取る費用が抑えられれば、導入が遅れている他の再生エネの買い取り余力も増す。

 とはいえ、国が一度認定した価格を変更するのは異例だ。地域の合意形成が遅れるなど、やむを得ない事情で稼働できない事例には配慮も欠かせない。

 日本の太陽光発電の買い取り価格は欧州の約2倍と高い。

 対象を広げる入札制は、国が決めた上限価格より安い価格しか認めないため値下げ圧力が高まる。

 ただ、制度開始から2回目となる今夏の入札は落札がなかった。意欲のある事業者を排除しない上限価格の設定が課題となろう。

 道内など積雪寒冷地は設備強化に費用がかかる。全国一律の価格設定でいいかを含め、地域事情を考慮した支援も検討すべきだ。

 

2018年11月20日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

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