無線による電力の送受信は、電動歯ブラシやスマートフォンへの充電で実用化が先行している。

現在は、送電距離を延ばすこと、送電の効率を向上するための技術の開発が盛んになっている。将来的には、給電時に携帯機器を充電パッドに置かなくても、使いながら充電できるようになり、電源コードが不要な機器が実現したり、走行しながらEVが無線給電されることが期待されている。

無線による電力の送受信の応用範囲が広がり、さまざまな給電サービスが実用化されると、多数の電力が空中を飛び交うことになる。

そこでは、電力の「混信」が生じ、ユーザーが自分のスマートフォンを無線で充電するつもりが、隣にいる人が持っている他の携帯機器が充電されてしまうといった状況が生じる恐れがある。

また、無線による電力の送受信システムの弱点を悪用し、電力がハッキングされ、重要な施設や設備が停電するといった状況が生じることを防ぐ必要がある。

こうした混線やハッキング対策として、今回の技術が有効な手段となる可能性があるとしている。

無線による電力の送受信には、非放射型の磁界結合方式(電磁誘導方式、磁界共振式)、電界結合方式、エバネッセント波方式、放射型の電波方式(マイクロ波など)、レーザー方式など、さまざまな方式がある。共同出願した技術は、これらのあらゆる給電方式に対応可能としている。

みんな電力は、有線の既存の送配電網システムの中で電力のトレーサビリティ(追跡可能性)を実現する「電力の産地証明」サービスを手掛けている(関連ニュース)。この技術では、ブロックチェーンの技術を活用している。

これとともに、末端で生じる無線による電力の送受信についても、同様のサービスを実現できる技術の一つとなる可能性がある。

みんな電力では、京大との2年間の共同研究の後、プロトタイピングを経て、ライセンス供与、無線給電認証プロトコルのサービス提供、関連技術の研究開発を視野に入れているとしている。