再エネ主力時代の電力系統のオペレーション。変化を見据え、課題に取り組む

持続可能な社会を実現する取り組みの推進力として活躍

持続可能なエネルギー社会を実現するための技術や手法、ビジネスモデルは進化を遂げている。

電力需給状況に応じて需要を変化させるデマンドレスポンス(DR)は、火力発電所に代わる調整力として一定の役割を担う。さらに、太陽光発電や電気自動車(EV)の蓄電池なども統合制御して、一つの発電所のように機能させるVPP(仮想発電所)の実証も進展。新たなビジネスチャンスとして大きな注目を集める。

早稲田大学の石井英雄・研究院教授は経済産業省とタイアップし、こうした取り組みの推進力として活躍する。スマート社会の到来を見据えて早大が立ち上げた産学連携組織、「スマート社会技術融合研究機構」(機構長=林泰弘・早大教授)の事務局長も務め、国内外を飛び回る。その傍ら、林研究室の大学院生に対し、研究テーマや留学、就職などについて助言を送る。

学術界に転身する2014年7月までの約26年間、東京電力に勤務し、超電導の研究や技術開発の企画などに携わった。それだけに再生可能エネルギーが「主力」となる時代の課題が見える。「(社会が)サステナブルであるためには再生可能エネを増やす必要がある。それは、電力系統のオペレーションにとって大きな変化だ。将来を見据え、今から課題に取り組まなければならない」

インバーター接続電源が増えた時、系統の安定性をどう保つか

従来の電力系統は多数の発電機が互いに同調し、一定速度で回転することで安定性を保ってきた。太陽光のようにインバーター接続の電源が中心になった時にどう対応するのか。重い課題を突きつけられている。

石井教授が憂うのは、課題解決の担い手となるべき「伝統的な電気工学の有識者が減少している」ことだ。大学は研究資金を外部から調達しなければ立ち行かず、最先端の研究テーマが重視される。一方、電力系統にまつわる課題を共有してこなかった電力会社にも原因の一端があると、あえて苦言を呈す。電気事業連合会出向時代、電気工学の維持・発展を担う産学連携組織「パワーアカデミー」の設立に深くかかわった石井教授。問題意識は人一倍強い。

 

2018年8月24日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

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