中東産油国、再生エネルギー傾斜の不思議

湾岸アラブ諸国が太陽光など再生可能エネルギーの導入を加速している。世界でも屈指の市場として浮上しつつあり、日本勢など外国企業が受注争奪戦を繰り広げている。石油や天然ガスといった化石燃料に世界で最も恵まれているはずの国が再生可能エネルギーに目を向けるのは一見すると不思議だが、コスト低下や人口増などの環境変化が背景にある。

中東・北アフリカで計22兆円の事業

再生エネルギーの事業規模は調査段階のものも含めると中東・北アフリカ全体で2000億ドル(約22兆円)に達するとの推計もある。2016年に中東で入札にかけられた太陽光発電事業は、総出力の合計が少なくとも200万キロワットに達した。

モロッコ中部ワルザザートにある太陽光発電プラント=ロイター

中東専門誌の推計では、中東・北アフリカには全体で出力6700万キロワットに達する再生可能エネルギーの計画がある。サウジアラビアは北部サカラで30万キロワットの太陽光発電事業を計画。事業規模はおよそ3億ドルで、18~19年のサービス開始を目指す。

北部ドゥマト・アルジャンダルで事業規模5億~7億ドル、40万キロワットの風力発電施設の建設計画がある。この2つがサウジの今後の再生可能エネルギー整備の第1弾という位置づけだ。第2弾として複数の事業による合計100万キロワット規模の入札を実施する計画だ。

石油やガスの販売収入に依存するアラブ産油国は、これまで再生可能エネルギーを「ライバル」として敵視していた面がある。しかし、人口増を背景とする国内の電力需要の拡大から、過去5年間で急速に再生可能エネルギーへの関心が高まってきた。

太陽光パネルの大幅な価格下落も追い風となった。もともと強い太陽が照りつける中東の砂漠地帯は、太陽光発電や風力発電の施設には向いている。

化石燃料に大きく依存する各国にとっては「石油の時代の終わり」に備える保険の意味合いもあるだろう。13年にアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで出力10万キロワットの中東初の太陽光発電プラント「シャムス1」が完成したのを皮切りに、各地で大型事業が動き出した。UAEは、発電用ガスへの補助金を減らすなどエネルギー戦略の見直しを進めている。

中東の電力供給では、冷房需要が高まる夏場、昼間のピーク時への対応が課題となっている。太陽光は、最も需要が高まる時間帯に発電能力を最大限に発揮することからエネルギー供給の効率化に適している。国内向けに再生エネルギーを利用する代わりに、石油や天然ガスを輸出にまわすことで、販売収入を増やすことができる仕組みだ。

中東アフリカの再生エネルギー分野では、日本の大手商社なども市場参入を狙う。丸紅が中国の太陽光発電パネルメーカー、ジンコソーラー(江西省)と組んで実施するアブダビの「メガソーラー事業」はこのほど建設が始まり、19年4月に稼働する予定だ。

「エネルギー市場の中心は石油」

サウジアラビア国営石油会社であるサウジアラムコのアミン・ナセル最高経営責任者(CEO)は、太陽光発電事業への投資を加速する立場を強調している。サウジは23年までに、950万キロワットを再生可能エネルギーでまかなう計画。太陽光を中心に300億~500億ドル(約3兆~5兆円)の投資を見込んでいる。

ナセル氏は石油生産設備の更新や天然ガスの開発のため、今後10年で3000億ドルを投資するとも発言している。再生可能エネルギーにも軸足を移しつつ、世界のエネルギー需要の中心はそれでも当面、化石燃料になるとの認識を示した。ナセル氏いわく「石油産業は今後何年もの間、グローバル・エネルギー市場の中心に位置する。代替エネルギー利用への道は長く複雑なものとなる」。投資家が石油探索や関連インフラの整備への投資に慎重な姿勢を続けている状況への懸念を示した。

 

2017年8月10日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

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