【北海道発 輝く】あかりみらい 胆振東部地震教訓に停電対策普及を目指す

SankeiBiz

 昨年9月に北海道厚真町で最大震度7を観測した北海道胆振東部地震が発生、全道で電力供給が完全にストップする「ブラックアウト」が起きた。発光ダイオード(LED)照明など省エネルギー機器の販売や施工を手がける、あかりみらいの越智文雄社長は、「寒さの厳しい冬に停電があったら大変なことになる」と危機感を募らせ、自然災害などによる停電に備えるための緊急用電源や省エネ機器の普及に力を注いでいる。

◆簡易型投光器に脚光

越智社長は、「北海道胆振東部地震で大きな力を発揮したのは、真っ暗な被災地や避難所などを照らしたバッテリー型LED投光器だった」と振り返る。省電力で明るい照明が重宝されたのだ。

地震後にはリチウムイオン電池、LPガスやガソリンを燃料にしたハイブリッド発電機、バッテリー型LED投光器、手回し充電機付き懐中電灯などの電源装置や照明器具に対する問い合わせが殺到した。しかし、自家発電機や電源装置などはメーカーの在庫が払底し、数カ月から半年待ちで、「厳冬期のいま何かあったら間に合わない」と危惧している。

越智社長は起業以来、省エネ機器の普及に力を入れてきた。さらに地震を機に設備面の防災対策について、セミナーなどを通して訴える活動に力を入れている。

各自治体、企業、病院など重要施設向けに停電時の事業継続対策(BCP)や危機管理マニュアルを作成。ブラックアウトを教訓に自治体や企業などの危機管理体制の強化をサポートしている。

自治体などでは公用車として簡単に給電できる新型ハイブリッド車(HV)の導入を進めるほか、職員所有の車を事前に登録しておき、緊急時には各施設、避難所に配車して給電できる体制の整備などを提唱している。

家庭でも自家用車からの給電を薦めている。実際に同社では車のシガーライターから電気を供給する方法について実験を行い、ホームページに掲載している。住宅の外壁に受電コンセントキットを、屋内側には非常用コンセントを取り付け、ガソリン車や新型HVからの電気を、避難所として指定されている体育館で使えるか、車種によって実際にどのような機器類が使えるかを試した。

その結果、ガソリン車の場合はLED電球による照明や携帯電話の充電、パソコン、小型テレビが使えた。新型HVの場合は、消費電力200ワットのLED投光器、400ワットの電気ストーブ、さらに1.2キロワットの電気釜でご飯を炊くことができた。「ガソリン車では最低限の照明、情報通信機器の利用だが、最新型HVであれば、暖房、炊飯までのサバイバルが可能となる」ことを検証し、停電対策に関する事業を推進する方針だ。

◆北電での経験生かす

越智社長は北海道電力に29年間在籍し、危機管理や地域貢献の担当などを務めた。政府が2020年度までに公的施設に高効率のLED照明100%導入を目指す「あかり未来計画」に共鳴し、会社員時代の経験が役立てばと、12年にあかりみらいを設立した。

「当社の試算では人口10万人の自治体で、公的施設約250カ所をLED化にすると初期コストが約5億円かかるが、年間2億円近く電気代が下がり3年かからずに償却できる」とメリットを強調する。

すでに観光スポットとなっている北海道庁旧本庁舎や札幌時計台のライトアップ、スキー場、病院、学校、工場など数百件を超えるLED照明取り替え工事実績がある。

今後も道内全市町村のLED照明導入と、停電対策の普及を目指す。(川端信廣)

□越智文雄社長

■多彩な企画考案し地元経済活性化

--なぜ、北海道経済のための貢献活動をしているのか

「昨年で北海道と命名されてから150年がたったが、まだ全国と比べ、さまざまな情報が少なく、中央とのパイプも細いなど改善すべき点が多いからだ」

--具体的には

「札幌を中心に経済人ネットワークを設立し、北海道応援団フォーラムや北海道雪氷桜プロジェクトを展開している。北海道応援団フォーラムでは全国から約600人が参加し、応援団となる産学官の人たちとネットワークをつくることができた。この夏に2回目を開く」

--北海道の特色を生かした企画を考案している

「猛暑のなかで開催が予定されている2020年の東京オリンピックでは、北海道の雪氷技術を活用して大会期間中に桜を開花させ、“おもてなし”を行う、北海道雪氷桜プロジェクトを立ち上げた。全道の179市町村から桜を約2万本集め、沼田町の雪氷室に保存しておいて開花時期をずらし、オリンピック開催期間に会場で開花させ大会を盛り上げる企画だ。東京オリンピック組織委員会などに企画を伝えて、今年の夏に実験を行う。関係者から大きな期待が寄せられている」

--ほかにも企画がある

「マラソンコースなどの沿道に、バリケード代わりに北海道の雪柱を設置するなど、自然の冷熱エネルギー活用によって、競技選手にとっても、観客にとっても涼がとれて、環境改善につながる企画を実行したい。積雪寒冷地である北海道の雪氷技術を世界にアピールする。アイスシェルター実験やオホーツク流氷搬送実験なども行い、さらなる成功に結びつけたい。北海道の地域資源である雪氷エネルギーで東京オリンピックに貢献するとともに、将来北海道の振興に役立たせたい」

≪イチ押し!≫

■厳冬期の災害で活躍するキット

北海道胆振東部地震で発生したブラックアウトを教訓に売り出した、停電時の危機管理に役立つ製品のキット。自治体の首長や企業経営者らの机の下やロッカーなどに常時置いておき、災害発生直後から活用することを想定して作られた。

充電式のバッテリー、携帯やパソコン用の充電ケーブル、停電時にも使用可能な卓上LEDスタンド、手軽に状況を把握できる小型ワンセグテレビ、周辺を照らす小型投光器、防寒アルミシートなどが入っている。

厳冬期に停電時が発生するという最悪の状況を考え、暗闇の不安を解消し、情報収集をしながら、防寒具で厳しい寒さをしのぐ。

このキットに、水と非常食をそろえれば、災害発生初期の危機的な状況を乗り切ることが可能という。

 

2019年2月19日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

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